EMC2 2018 8 5
金(Gold)を温めると重くなるか。
書名 E = mc2のからくり
著者 山田 克哉 講談社ブルーバックス
「E = mc2」
ここでは、
「E」はエネルギー、
「m」は質量、
「c」は光の速度、
「2」は2乗を意味します。
金を温めると、
エネルギーが増えるので、
この数式が成り立つには、
質量が増えなければならない。
光の速度は不変なので、
質量で調整する必要があります。
もちろん、金の質量の増加は、
誤差の範囲どころか測定不能でしょう。
では、もうひとつ「思考実験」をしてみましょう。
思考実験は、物理学では重要なことです。
「FAXで物質を送ることができるか」
たとえば、あなたがパソコンで絵をかいて、
それをプリンターで印刷して、
FAXで友人に送る。
あなたのところでは、
印刷された絵がいったん電子に変身して、
友人のところでは、
電子が絵に変換される。
「印刷された絵」→電子→「印刷された絵」
しかし、これは、完全に同一のものではありません。
あなたのプリンターと友人のプリンターは、
同じメーカーのものではないでしょう。
インクや紙の材質も違うでしょう。
しかしながら、思考実験として、
物質を電子に変換して送ることができれば、
「宅配便」という仕事は不要になります。
先方は、「3Dプリンター」で印刷すればよいのです。
さて、「E = mc2」という数式を眺めると、
エネルギーと質量は等価であり、
エネルギーが質量になったり、
質量がエネルギーになることがわかります。
しかし、ここで問題があります。
この数式には、「光の速度の2乗」が加わりますので、
仮に「1%」の質量がエネルギーに変換されると、
膨大なエネルギーとなります。
だからこそ、簡単に質量をエネルギーに変換してはいけないのです。
そうすると、この数式は、ただの数学で無意味なものか。
そこで、「空間」を考えれば、
この数式を有効利用できるかもしれません。
3次元空間において、
質量をエネルギーに変換すると、大変なことになりますが、
4次元以降の空間にエネルギーが拡散されれば、
膨大なエネルギーを心配する必要はありません。
問題は、「電子」をどう考えるか。
そこで、前述の「FAX禅問答」が出てきたのです。
「電子」という存在は、なかなか、やっかいな存在で、
うまく思考がまとまらないのです。
いや、これは、私が年を取って、くたびれてしまい、
頭脳が錆びついてしまったからかもしれません。
もうひとつ「禅問答」を書いておきます。
「宇宙のトンネル」という思考実験です。
誰か、若い頭脳が解いてください。
私は、もう、くたびれてしまって・・・・・。
宇宙のトンネル 2010 8 1
宇宙にトンネルがあると言ったら大変なことになるでしょうか。
おそらく、科学者たちは、
「いったい誰が、どのようにして作ったのか」と議論になるでしょう。
しかし、それは、余計な詮索と言えるでしょう。
こう考えてみれば、どうでしょうか。
車で道路を走っていたら、トンネルがあった。
トンネルを通れば、向こう側まで10分で行くことができます。
しかし、このトンネルは、
「いったい誰が、どのようにして作ったのか。
それがわからない限り、トンネルを通ることはできない。
だから、私は、峠道を5時間もかけて向こう側まで行く」という人がいるでしょうか。
たいていの人が、何も考えず、便利にトンネルを使うでしょう。
やがて、人類も、何も考えず、
便利に宇宙のトンネルを使うことになるでしょう。